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手前の人生の無駄遣いっぷりを書き連ねる場所
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 仕事もそこそこで会社の花見。社内では共通する話題の少ないヒトなのでホントはすっげぇ帰りたい。無言状態を誤魔化す為に酒を口に運んでるワケだから肝臓も悪くなるよ、そりゃ。

 でも、まぁこうして夜桜を眺めてっと去年の花見を思い出す。

 当時、俺より半年ばかり遅く営業に入ってきた同年代のMという奴がいた。営業と生産だから仕事上の接点はあんまし無くて、時折呑みの席で一緒になる程度のものだったが、音楽の趣味が良かったので、割と話が合い、「一緒にバンド組まね?」などと、青臭い誘いを受けたこともあった。

 そんな彼が、去年の花見で痛々しいほどに"はっちゃけピエロ"を演じていた。それなりに盛り上がってはいたが、宴が終わる頃にはダウナー状態で、典型的な欝状態。

 皆でぞろぞろと帰る途中、多少Mを気遣いながら歩いてた俺にぽつりと「呑み足りねぇ」と呟いた。で、気がつくと俺とMは駅から少し離れた居酒屋に足を運んでいたりした。

 …会社の同僚とサシで呑むなんて初めてだった。Mは勝手にどんどん喋っていった。社内の人間関係の悩みとか、恋愛関係の悩みとか。俺が(余程親しくない限り)基本的に聞き上戸な所為もあってか、言うだけ言って多少ガス抜きがされたみたいで、今度は前就いてた職業の話とか、パーソナルな事を話し始めた。その頃になると互いに打ち解けていき、好きな作家の話で盛り上がった。というか、読書遍歴がこんなに他人と被ったのは生まれて初めてなんじゃないだろうか?

 終電も近付き、会計を済ませて店から出ようとした際に「○○(作家名)が好きなら、きっと気に入るから」と言って彼から一冊の本を貰った。
本当の戦争の話をしよう









ティム・オブライエン著・『本当の戦争の話をしよう』。

 ベトナム戦争に従軍した作者が、何の飾り気も誇張も無く、下手な感動や悲惨さを押し付けようともせず、淡々と…それでいて抜群の存在感で描く短編集でした。

 その後、矢張り仕事上の接点も無ければプライベートで会う程の親しさでもないまま、二、三会話をした程度でMは会社に馴染めずに辞職した。

 メアドの交換すらしないまま別れてしまったが、小説は今も大事に取ってある。

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自己紹介:
東京生、下町の印刷工場で単純労働に勤しむ日々を送り、たまの休日はその殆どを寝て過ごし、残りは「もっと有意義な使い方があるだろう」と自己嫌悪して終る。
取敢えず眠る事に勝るような、没頭できる趣味が欲しい。

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