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昼起きて漫画仕上げたら夜だったんで、そのまま池袋の新文芸坐に行って鈴木則文のオールナイトを観る。東映でポルノ路線を切り開いた頃の作品ばかり集めてあるのでタイトル並べるだけで凄まじい。 『エロ将軍と二十一人の愛妾』に『徳川セックス禁止令・色情大名』、 『温泉みみず芸者』、そして『聖獣学園』だぜ。
全作通して、エロなのに小学生にウケるような垣根の低いギャグ満載、そのクセ妙に社会性の強い諷刺を入れたりするもんだから対象年齢の判らない怪作ばかり、特にラストで「何人たりとも性を管理・検閲することは許されない、たとえ神の名においても」と大上段から説教する『徳川セックス禁止令』はエロゲに対する風当たりの強い今でも通用するよなぁ。
観た中では『温泉みみず芸者』の後半の展開が凄まじく、まさかポルノで「人気が出たからトーナメントやろう」みたいな少年ジャンプ的流れが来るとは思わんかった。
あと、『聖獣学園』はスペル星人の回の十倍ぐらいヤバい内容だと思う。
観終わった後マックで時間潰してから新宿で朝イチの『チョコレート・ファイター』を観にいこうと考えてたんだが、思ってた以上に体力の浪費が激しかったので、大人しく家帰って寝た。
『恐怖劇場アンバランス』とは、『怪奇大作戦』以後、すっかり怪獣ブームも去り低迷期を迎えた円谷プロが、新たな視聴者層を獲得せんが為に制作された"大人の特撮ドラマ"です。結局、3年間のオクラ入りを食らった末に、実際の放送が始まったのは第二次怪獣ブーム真っ只中の73年(『ウルトラマンタロウ』をやってた頃)。しかも深夜にひっそりと放送されただけのカルトな番組。
その癖、鈴木清順が監督したり、俳優時代の蜷川幸雄とか子役時代の鶴ひろみとか出たりと、スタッフ・キャストが妙に豪華なのも特徴です。
まぁ、しかし、毎度のことですが、今回は特に評価される事の少ないヤツですので、"レアな作品を有難がって観たら全然大したこと無くてガッカリ"。というのを多少覚悟していたのですが…。やっべ、すっげぇ面白ぇ。明日仕事なのに4話(45分番組)まで一気に観てしまった。
生き仏と化した坊主が色欲に走るバチ当たりこの上無い描写満載の『木乃伊の恋』、唐十郎のサイコな演技と市川森一の脚本が冴える『仮面の墓場』は傑作。いいから観なさいってば。
昼起きて、京橋のフィルムセンターへ行く。『アナタハン島の眞相はこれだ!!』を上映するっていうから初めて来ましたよ。
戦中のアナタハン島で起こった一人の女性を巡ってのイザコザ(通称・アナタハンの女王事件)。これをハリウッドで映画化するという話を聞いた映画会社の人が、一足先に作っちまおうってコトで出来上がったのが本作らしい。
映画がまだ山師の興行と大差無い頃の作品なので、主演に事件の当事者である比嘉和子本人をキャスティングする大胆さ。…よく出る気になったよな。
録音状態が悪いのか台詞が殆ど聴き取れず、野郎共がボソボソ喋ってるウチに映画が終わってしまったので、唯一印象に残ってたのは比嘉和子の容姿ぐらいです。よくもまぁこんな不美人に欲情できたモノだな、と。他に選択肢が無いとは云え、極限状態に置かれた男性たちのDNAに深く刻み込まれた"種の保存"という本能に感心しきりでした。
先日の『畸形人間』の話にも繋がりますが、マニアってのは「カルトな~」とか「幻の~」といった枕詞に弱い。『映画秘宝』あたりを参考にし、それが「○○で上映される」と噂を聞きつけば、半休取っても足を運んで観にいくのだ。例えそれがどんなにクソつまらない映画であろうとも、だ。
無論、後の人生に影響を与える位面白い作品もある。だが、その殆どは不毛だ。"差別問題で封印"とか、"思想的に問題"とか、単に観ることが困難なだけで、それ以外の要素だけ見れば単に退屈極まりない駄作も沢山あった。
でも、それでも俺は観たいと渇望するのだ。全く、マニアってのは本当に業が深い生き物だ。